ほうりつって面白い・・・その5
退職勧告にはそれ自体の制限はないものの、退職勧告のさいに退職に応じないと本人や家族の身体等に危害が生ずるといった旨の強迫的な言葉を用いたり、虚偽の事実を告げてなんらかの不利益が生じるといったような詐欺的な言葉を用いて退職勧告した場合には、これによって本人が退職の意思表示をしても、詐欺・強迫あるいは錯誤(民法95条・96条)に基づく意思表示として、取り消され、あるいは無効となります。
また、本人が退職しないと明白に意思表明しているのに、重ねて退職勧告し、その勧告の態様が度を超す場合には、退職勧告それ自体を違法行為とし、使用者に対する損害賠償請求が認められる場合もあります(退職勧告のために出頭することを業務命令とし、本人がはっきりと退職拒否しているにもかかわらず10数回にわたり退職勧告を繰り返した事案について損害賠償請求が認められています。)。
したがって、個別の退職勧告にあたっては、威圧的な態度による勧告はいけませんし、また、退職勧告の理由は問わないといっても、女性であること(婚姻・妊娠・出産・育児休業等の取得等、解雇禁止にあたる場合も含みます)を理由として執拗な退職勧告をすることは問題です。